NORTH BY NORTHEAST
HOME >> M's Album >> Keiichi Live
鈴木慶一 Solo Act 「北北東に進路を取れ!vol.1」1998/12/19(Fri) 東銀座 PLEASURE SPOT G

01.トラベシア
02.ニットキャップマン
03.愛はただ乱調にある
04.Sweet Bitter Candy
05.ブルークリスマス
06.スプーン一杯のクリスマス
07.雨のクリスマス
08.独逸兵のように
09.MARIE
10.黒いシェパード
11.ドーロには
12.酔いどれダンスミュージック
13.Yes Paradise Yes
14.月にハートを返してもらいに
15.心の底から笑える日くるまで

E-1.へんたいよいこの唄
E-2.君はガンなのだ

E-2-1.煙草路地
E-2-2.もう話したくない

E-3-1.塀の上で

Special Thanks Mr.Seiyoh 'JACK' Yoshihara

cover
cover

鈴木慶一:Vocals,Guitar,Piano,Harddisc Player etc..
「痛みを抱えたまま繋がっていく糸」

人はみな、痛みを抱えて生きている。
数々の痛みと対処しながら、毎日生きていかなければならない。

それでも、時には容赦無く襲ってくる痛みに耐え切れなくなる時がある。
このままじゃ駄目になる、と自分で自分自身を追いつめてしまう。

私が鈴木慶一のライブを観に行った時は、その痛みを抱えすぎていて、どうしようもない状態だった。

鈴木慶一に関する知識はほとんどなかった。
ムーンライダースという名前は知っていたし、興味を持っていたけど、私にはどうも敷居が高く感じられ、彼らの音楽に接する機会が与えられなかった。
今年9月末、渋谷のライブハウスで行われたイベントで、鈴木慶一は鈴木博文と共に「THE SUZUKI」というユニットで演奏していたのが私にとっての初めての慶一体験だった。

そんな私がなぜ彼のライブに行こうと思ったのか。
ムーンライダースファンである友人からソロライブを行うという情報を知り、ぜひ見に行って欲しいと勧められた事もあったが、今考えてみると、荒波の激しいこの世界で20年以上も活動を続けている彼からサバイバルの精神を、痛みを乗り越える方法を、音楽を通 して知りたかったからだと思う。

1970年代デビューした鈴木慶一は一体どれくらいの痛みを抱えていったのだろう。
そしてどのようにして痛みを乗り越えていったのだろう。
この日のライブで彼のサバイバル精神を確かめたかった。

私が入場した時には(当日券だったので、最後の方になってしまった)すでに人で埋まっていて、ステージの全貌は殆ど見えなかった(ステージ上に座って見るという手もあったらしいが、私にはステージで見る勇気がない)。でも少し背伸 びしてみたら、頭の間から慶一さんの姿が見えてきた。ギターを弾いている時の動きや、ピアノを奏でている姿も分かった。

事前に慶一さんやムーンライダーズの音楽を殆ど聴かずに臨んでしまったので、殆どのナンバーが私にとっては初めて体験するものだった。でも途中クリスマスナンバーを取り入れたり、ランディ・ニューマンやクレージーホースのカバーを日本語に訳して歌ったり、新曲の「Sweet Bitter Candy」を歌ったりと、初心者の私でも楽しめる構成だった。
MCでは「ムーンライダーズの音楽は敷居が高いと言われてしまう(苦笑)」とか「このライブが終わったら遊びます。今度サッカー大会があるので、良かったら応援に来てください」とか「バンドだと6人いるからわいわいするけど、ソロだと一人だから楽屋にいても淋しい」など、ほのぼのとしたしゃべりに親近感が湧いてきた。後半にはレコーダーも入り、DJ&ギター&ボーカルの一人三役形式で演奏をしていた。アンコールに3回応え、矢野顕子もカバーしていた曲「塀の上で」をピアノで力強く歌って幕を閉じた。

終演後、慶一さんとちょっと言葉を交わす事が出来た。
ステージ上と変わらない姿の彼は、舞い上がっている私に対して優しく応対してくれた。目の前の彼は優しく、とても穏やかな人だった。しかしその奥に、とてつもなく鋭い瞳を持っていた。その瞳で彼は過去・現在・未来の状況を悟り、適応してきたのではないだろうか。

ライブを見て気が付いた事が一つある。
ステージ上の慶一さんと観客一人一人との間に、ピンと張りつめた糸があるのが見えたのだ。その糸は忠実に音楽を続けている慶一さんと、彼が活動を続けている姿を応援し、支え続けている人達との共同作業で作り上げてきたものだと思う。長年に渡って作られた頑丈な糸は、様々な痛みが降ってきても決して切れたりしないものだろう。そしてその糸は、彼を支える人が多くなる事でますます強くなっていく。

「心の底から笑える日くるまで/ずっと待ってるよ」

本編の最後に歌った「心の底から笑える日くるまで」を聴いた時、私は不意に涙が出てしまった。今の私に欠けているものは「心の底から」笑う事だったのだ。 ここ数日抱えていた痛みに対処出来なかったのも、心から感情が出せなかったのだ。この日のライブでその事を気づかせてくれた。慶一さんの優しい笑顔と、彼の音楽から発せられる力強さによって、今を生き抜く為のサバイバル精神、痛みを乗り越える方法を少しだけだけど分かった気がする。20年もの間音楽と共に生きてきた彼が今も大きな存在を持って歩んでいる姿を見て、まだ20数年しか生きてない私はまだまだ青いなと改めて感じた。

そしてこの日のライブに参加出来た事で、私自身も彼とつなぐ糸を持つ事が出来た。この糸を常に持っていれば、また痛みが降ってきても私を守ってくれそうな気がする。

彼が持っている痛みは、私のそれとは全然違うものかも知れない。そもそも彼が痛みというものを持っているかも分からない。でも私自身が彼とつなぐ糸の一本として彼を支えていけたら、どんなに嬉しい事だろう。そんな事を考えながら、私は年の瀬が迫ってきた銀座の街を歩き、家路へと向かったのだった。

(1998/12/27)


鈴木慶一さん(ムーンライダーズ)のソロライブに行ってきました。
「北北東に進路を取れ!」というタイトルで、秋から冬にかけて回ったツアーの追加公演で、場所は東銀座駅すぐ、歌舞伎座の近くにある「PLEASURE SPOT G」というライブハウスです。
慶一さんのステージを観るのは初めての私。この前の「カントリーロックの逆襲」でTHE SUZUKIとして鈴木博文さんと一緒に出ていたのは観てたのですが、果たして初心者でも十分楽しめるかなとちょっと緊張していました。
でもそれは杞憂に終わりました。
ステージは慶一さん一人。ある時はギタリスト、ある時はピアニスト、ある時はハードディスクプレーヤー(テープで音を出したりする)、そしてボーカルの一人四役を自然体でこなしていました。時にはボケをかましたりしましたが(^^;。私は後ろの方で人の頭からちょこっと見える慶一さんの姿をとらえながら、歌から伝わる慶一さんの暖かさを感じたのでした。本編1時間半があっという間に過ぎ、アンコールは3回応えてくれました。慶一さんは「音楽」を心から楽しんでいるんだなぁという事を感じ取れたのでした。その空間に私も入れた事が嬉しかったです。
ライブが終わっても、しばらく会場内にいました。松尾清憲さんを見かけたり、音楽業界で活躍しているいろいろな方にお会いして談笑していました。ライブ終了後のリラックス感が会場中を覆っていた感じがしました。
しばらくして、会場ではそのまま打ち上げに入ろうとしていました。
時間が来たのでそろそろ……と思っていたら、鈴木慶一さんが現れたのでした。周りが大人の方々ばかりなので静かに見守ろうと思っていたのですが、思わず雑誌を手に持ち、ペンを取り……(苦笑)。慶一さんは私が持参した「ストレンジ・デイズ」という音楽雑誌(慶一さんや佐野さんがインタビューに出ています)にサインしていただきました。幻想的なイラストの表紙にマッチしているサインで、宝物となりそうです。そして握手もしていただき、持っていたパワーザウルスのデジカメでツーショットまでしていただいたのでした。頭がパニックしていて慌てていた私に対し、優しくお茶目に接して下さった慶一さんに心から感謝です。今でも興奮しています。ライブ行ってきて良かった。
来年「北北東に進路を取れ!」ソロライブツアー第2弾を行う予定だそうです。
興味のある方はサイトをチェックしてみて下さいね。
私もまた見に行きたいと思います。

(1998/12/19 01:11)

Last Update:1998/12/27
Where is going to Site for Next?
Back to Index Page
Amazon.co.jp アソシエイト このサイト内にある商品画像は、Amazon.co.jp アソシエイトプログラムにより販売リンクを設定しています。
ここに掲載されている画像・文章等の無断転載を禁じます。
COPYRIGHT(c):Minako'NEPPIE'Seki[Party?Party!],1998-2003.