「グラフィックトライアル2020」、開催延期。昨年観に行った「グラフィックトライアル2019」の模様や過去の作品を振り返りたいつつ、来年の開催を心待ちしたいです。【アート】

アートを感じてみたいと思っているNEPPIEです。

毎年開催を楽しみにしている展示会があります。凸版印刷が運営している印刷博物館で開催されている「グラフィックトライアル(Graphic Trial)」です。

今年も4月から7月まで開催予定でしたが、新型コロナウイルスの感染拡大防止の影響で、今年の開催がなくなり、来年に延期になりました。

興味深いクリエーターが集まるので開催延期は残念ですが、来年の開催を心待ちしつつ、今までのグラフィックトライアルを振り返ってみたいと思います。

「グラフィックトライアル」について

まずは「グラフィックトライアル」について、どんな展示会かを説明したいと思います。

グラフィックトライアルとは、トップクリエイターと凸版印刷が協力して新しい印刷表現を探る企画展です。色数、用紙、インキ等に制限をつけず、究極の色再現やリアルな質感再現を印刷技術の力で最大限まで引き出すことで、印刷が持つ豊かな表現の可能性を追求します。

グラフィックトライアル〜ごあいさつ〜

グラフィックトライアルを運営しているのは、印刷会社大手の凸版印刷株式会社です。

凸版印刷株式会社のグラフィック・アーツ・センター(GAC)が、コミュニケーションメディアのひとつである印刷表現の幅を広げ、グラフィックアーツ業界の発展につなげることを目的とするWEBサイト「GA Info.」を運営しています。

その「GA Info.」のコンテンツの一つに「グラフィックトライアル」があります。

2006年から毎年、様々なクリエーターを迎えて、凸版印刷のプリンティングディレクター(PD)と組んで5枚のポスターを作成するというトライアルを行う実験的な企画です。

プリンティングディレクター(PD)

PDは、インキ、紙、製版、刷版、印刷など、あらゆる印刷工程に精通している印刷の専門家です。

デザイナー、イラストレーター、フォトグラファー、絵本作家、漫画家など様々なクリエイターが望む「こんな表現がしたいんだ!」という「作品」にこめる想いをうけとめて、品質を極めた「印刷作品」に専門技術をもってコーディネートしていくのがPDの仕事です。
(出典:図書印刷のものづくり プリンティングディレクター

凸版印刷のプリンティングディレクターである富永志津さんのインタビューを読むと、PDの仕事がどんなものかが分かるので、リンクしておきます。

凸版印刷では多くの広告を様々な形で作成していますが、グラフィックトライアルでは「トライアル」という名前の通り、通常の手法では取り入れない形で印刷の仕方を実験したり、展開していくという過程を見ることが出来るので、学生やクリエーターも注目していると言われています。

2006年から開催されていて、14年もの間、多くのクリエーターが参加してきました。大物クリエーターも参加していて、注目度が高まります。

「グラフィックトライアル2020」について

さて、今年も開催予定だった「グラフィックトライアル2020」。

今年のラインナップは注目度が高いクリエーターが集まりました。

  • 佐藤卓氏(グラフィックデザイナー/株式会社TSDO)
  • 野老朝雄氏(美術家/TOKOLOCOM)
  • アーロン・ニエ氏(アートディレクター/AARON NIEH WORKSHOP)
  • 上西祐理氏(アートディレクター、デザイナー/株式会社電通)
  • 市川知宏氏(フォトグラファー/凸版印刷株式会社)

今年は「前代未聞の5名」というのが驚きでした(今までは4名でした)。特に佐藤卓さんと野老朝雄さんが揃って参加というのがすごいです。

佐藤卓さんは様々な商品のパッケージデザインを手掛けてますが、「おいしい牛乳」や「本わさび」「カラムーチョ」など、スーパーやコンビニで目にする商品をどこかで見かけていると思います。

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野老朝雄さんは、来年に開催延期予定になった「東京2020(東京オリンピック・パラリンピック)」のエンブレムデザインの作者として知られています。あのエンブレムをはじめて見たときは驚きでした。

開催が決定したときから、グラフィックトライアルの公式InstagramやTwitterで、5名のクリエイターがPDと共にポスターを作り上げる過程を随時アップしてました。

全体ではなくディテールを見せる形なので、最終的にどんな感じになるかが気になって仕方なかったです。

2月にはアイキャッチになるポスターも出来上がりました。

ポスターを作成したのは佐藤卓さん。テーマが「BATON」ということで、クリエーターが作った思いをバトンで繋げていくというイメージが感じられました。

しかし、新型コロナウイルスの感染が広がり始め、3月に入り多くの展示会の開催が延期したり中止したりと影響が広がりはじめました。

「グラフィックトライアル2020」も当初は4月12日から開催予定でしたが、まずは5月の連休明けからに開催開始期間を延期になりました。しかし、緊急事態宣言が発令されたことで事態は一変。今年の開催が中止になり、来年に延期というニュースが入ってきました。

期間を短くしても開催できたらとも思っていましたが、密になってしまうことを考えるとやむを得ないですね。来年に向けて準備したいとの事なので、心待ちしていきたいと思います。

参加クリエーターの市川知宏さんが制作の舞台裏を語ってるそうです。どんな感じで作ったかを見てみるのも良さそうですね。

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昨年観に行った「グラフィックトライアル2019」を振り返り

グラフィックトライアルの開催を待ちつつ、過去の作品を振り返ってみたいと思います。

まずは昨年開催された「グラフィックトライアル2019」。

開催要項

会期:2019年4月13日(土)~7月15日(月・祝)

参加クリエイター:葛西 薫テセウス・チャン髙田 唯 / 山本 暁

会場:印刷博物館P&Pギャラリー

公式サイト

昨年のグラフィックトライアル。最終日に駆け込みで行ってきました。

葛西薫さんのポスターは1枚ずつくっつけて5枚の大作に。圧倒されました。

テセウス・チャンさんの作品。立体的に迫ってくるようでした。

髙田唯さんの作品。一見シンプルな感じもしますが…。

光を当てることで詩が浮かび上がってきました。

高田さんと詩の作者、ウチダゴウさんの対談イベントも開催されてました。

山本暁さんの作品。「オフセット印刷」で失敗(不良)することを逆手に取って作った作品だそうです。

ポスターを作る上でのメイキングや印刷の実験手法の紹介もあるので、クリエーターや専門学生なども訪れていて、興味深く見る人も多く見かけました。

見ているだけでワクワクしてきて楽しめた展示会で、会場から出たときは興奮して帰宅したのが今でも思い出されます。

たくさん写真を撮ったので、アルバムを作りました。

グラフィックトライアルを振り返りつつ、来年の開催を心待ちしたいです!

2006年〜2018年の作品が一覧に並べられてました(「グラフィックトライアル2019」)

来年に延期になった「グラフィックトライアル」。このまま更新が止まってしまうのかなぁと思っていたのですが、来年の開催で15周年ということで、2006年からの作品を振り返っていくという投稿をはじめました。

こうやって見ると、実験的な手法で作っていたのがすごいなと感じました。来年までにすべてのクリエーターの作品を紹介するとしたら、ものすごい旅の始まりそうな気がしてきました。

来年の開催を楽しみにしつつ、実験的な作品を楽しんでいきたいと思います。

ポスターの「ヤレ(ボツになった印刷物)」をいただきました。
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「印刷博物館」も現在休館中です。再開日程が決まりましたらお知らせします。

この記事を書いた人

Minako 'NEPPIE' Seki

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