先日、新しい仕事にチャレンジしました。
4月22日(土)から5月1日(金)の7日間(土日祝以外)、ある大手IT企業の新人エンジニア研修に、ITサブ講師として関わる機会をいただきました。
普段は「つくる側」として仕事をしている私ですが、今回は「教える側」。
少し緊張しながら現場に入りました。
講師の仕事をやることになって、いろいろと気づきを貰ったので、まとめてみようと思います。
2年前のITサブ講師の経験
今回IT講師をやるきっかけを作ってくれたのは、ビジネス関係でつながっている方からの紹介でした。
実は、IT講師は2年前にチャレンジしたことがあります。
その時はオンラインでJavaやサーバ周り、アプリを教えるサブ講師をしていました。
HTMLやCSS、JavaScriptなどは本業で慣れているけど、Javaは少し触った程度なので、紹介した会社からいただいた教材で学んでました。
研修1か月前に書いた中間報告。
何とか一通り進めて、5月からのサブ講師を迎えたのですが、
受講生へのフォローが上手く行かなかったり、質問にうまく答えられなかったりでてんやわんやになってしまいました。
結局10日間の予定が2日でサブ講師終了になってしまいました。
終了になった理由を担当の方からいただいたのですが、一番の理由は「講師らしい振る舞いが出来てなかった」ことでした。
「受講生の前では講師として振る舞う」と事前に言われていたのに、私自身が受講生になっていた。その事を講師を勧められた方から厳しく指摘されてしまいました。
2日で終わった結果「私には講師は向いてないんだな」と思い、もう講師の仕事は二度とこないと思い、自分の仕事を進めてました。
再チャレンジの機会が与えられた

そうした中、1年半位経った今年1月、再び講師の仕事の依頼が来ました。
一度失敗した身で仕事が来るはずがないと思っていた私は、再び仕事が来たことに驚きが隠せませんでした。
今回は4月〜6月の間に開催される研修の案件が複数来ました。
期間、内容、対象者も様々で10講座以上ありますが、日程的に合いそうなものを選んで返信しました。
その結果、4月末に開催される10日間の研修でサブ講師をすることになりました。
3月に入ってテキストが届き、説明会が行われて、講師用のSlackも出来て、サブ講師の準備を始めました。
テキストを読み込んで、Javaなどの使い方を覚え直したのですが、それだけでは難しい。
そこで、AIの力も借りてみることにしました。
notebookLMに講座資料のノートを作り、そこに支給されたテキストなどを入れる。
チャットでテキストの概要や想定されそうな質問を聞いてみたり、サブ講師としての振る舞いなどを聞いてみました。
準備を進めていると、今回の研修内容が自分の仕事にも活かせる内容になっていることに気づき、楽しみにもなってきました。
サブ講師業スタート

4月22日から講師業が始まりました。
普段は家で仕事していますが、7日間は外での仕事。
家では高齢の父と同居しているのですが、この期間は父のケアは出来ないので、昼間は姉妹が来てもらいサポートをお願いしました。
朝が早いので、出かけるまでに家事を済ませるのが大変だったし、久しぶりの満員電車がきついけど、7日間都内にある研修センターまで出勤しました。
数百名規模の新卒エンジニアの方々が参加する研修で、私はメイン講師のサポートをする立場。
1クラス30数名で、サブ講師2名で3クラスを巡回し、質問対応をしたり、つまずいている方に声をかけたりという役割でした。
研修は10時からスタートですが、集合時間は早く、初日は9時、2日目以降は9時半集合。
他のサブ講師、スタッフさんと控室でご挨拶し、タッグを組むサブ講師の方とは講座の流れを打ち合わせして、準備していきました。
講義は10時から17時半までほぼみっちり(1時間お昼休憩、随時短い休憩あり)、メイン講師がzoomでクラスに配信する講義と、途中演習があったり、先輩社員の話を聞いたりとメリハリを付けた感じで進められました。

クラスの中でグループが作られていて、分からない事があったら、まずはグループのメンバーに聞いて解決するのが最初で、その上でサブ講師に聞く流れということでした。
前回の研修では受講生から聞かれた時にどう答えればいいかアタフタしていたのですが、質問に答える機会は予想していたより多くありませんでした。
自分で考える、グループと話し合って決めるということは実際の現場ではあることなので、研修中のうちに学んで、身につけていくことを進めていくように見えました。
「わからない」の先にあるもの

研修の中で、印象に残っている様子が一つありました。
それは「手が止まっている人」の姿でした。
画面の前で固まっていたり、 何度も同じエラーにぶつかっていたり。
でも、少し声をかけてみると、「どこが分からないのか分からない」という状態だったりします。
これは実はすごく自然なこと。
私自身も最初はそうだったという事を思い出しました。
分からないことがあるのは当たり前。
それを分からないままで終わるのではなく、何が出来るかを考える。
考えている姿を見守って、必要ならばサポートする。
講師になることはこういうことかと気付かされました。
小さな一歩で、人は動き出す

印象的だったのは、ほんの少しのヒントで
表情がぱっと変わる瞬間です。
「ここまでできてますね」
「この考え方で合ってますよ」
そんな一言で、止まっていた手が動き出す。
一気に理解できなくても、
「進めるかもしれない」という感覚があるだけで、人は前に進めるんだなと感じました。
うまくいかない時間も、学びの一部


研修中、こんな場面もありました。
ある受講生の方が、クラウド上の開発環境にアクセスしてプログラムを実行していたのですが、途中で接続ができなくなってしまったことがありました。
グループのメンバーと一緒に、私もサポートに入り、原因を探ってみたのですが、その場ではうまく解決できず、最終的には事務局の方に対応していただく形に。
ちょっと悔しさもありつつ、
「自分たちで解決できなかったな」という気持ちも残りました。
でもその後、チャットツールでのやりとりを見ていて、印象に残ったことがあります。
その受講生の方が、自分の状況や試したことを、落ち着いて丁寧に伝えていたことです。
ただ「できません」ではなく、
「ここまではできていて、ここでこうなっています」と整理して伝えている。
その姿を見て、「ちゃんと前に進んでいるな」と感じました。
うまくいくことだけが成長ではなくて、
こうやって一つひとつ状況を言葉にできることも、大切な力なんだなと、改めて思いました。
教えることで、見えてきたこと

今回の経験で強く感じたのは、
「教える=伝える」ではないということでした。
むしろ、
- 相手の立ち位置を想像すること
- どこで迷っているのかを一緒に見つけること
- 安心して質問できる空気をつくること
そういった“土台”の方が大切なのかもしれません。
学びは、安心できる場所から生まれる

今回出会った新入社員のみなさんに向けてメッセージを書いてみます。
人は、安心できるときにこそ挑戦できる。
これは今回の研修で、何度も感じたことでした。
間違えても大丈夫
わからなくてもいい
そう思える環境があるからこそ、
一歩踏み出せる。
思うようにいかない時間も、
立ち止まってしまう瞬間も、きっとこれからたくさんあると思います。
でも、その一つひとつが、ちゃんと前に進んでいる証なんだと思います。
「ここまでできた」ことを大切にしながら、
自分のペースで、一歩ずつ進んでいってほしい。
今頃、それぞれの赴任先で新たな一歩を踏み出しているであろう新入社員たちにエールを送りたいと思います。
ちなみに、4年前の春にこんな記事を書きましたので、良かったら。
当時社会人になったばかりの甥っ子に向けてエールを送るつもりで書きました。
伝えることは自分の理解を見つめ直す

一回失敗した経験があって、もう講師は無理かなと思っていた時にきた今回の話。
正直、自分に講師が務まるかなと心配でした。
でも7日間の講師業を終えて振り返ってみたら、教える側として関わったつもりでしたが、 一番学んでいたのは自分だった気がします。
誰かに何かを伝えることは、
自分の理解を見つめ直す時間でもあるんですね。
とても貴重な経験になりました。

今回講師業にチャレンジした事で、自分の仕事の幅がまた一つ広がりました。もしまたチャレンジする機会が出来たら、今回の経験(反省点も)を活かして、レベルアップしていきたいです。
機会を作ってくれた人たち、一緒に仕事した講師仲間、そして研修を受けた新入社員に感謝を込めて、講師体験記を終わります。





